函館の女ひとり旅ガイド:モデルコースとエリア別おすすめ
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「北海道のひとり旅って、まず札幌でしょう」と思い込んでいたわたしが、いちばん記憶に残った街は函館でした。
新幹線から、はこだてライナーへ乗り継いで着いた港町には、坂の上の教会、海ぎわの赤レンガ、朝市にならぶイカ。そして夜になると、函館山からあの夜景が広がります。札幌や道央の自然旅とはまったく違う、しっとりした道南の時間が流れているんですよね。街がぎゅっとまとまっていて移動に迷わないので、1泊2日でも満足できるのが、女ひとり旅にはありがたいところでした。
この記事では、函館を女ひとりで旅するときに知っておきたい街の魅力、1泊2日のモデルコース、エリア別のおすすめスポット、ひとりでも入りやすいグルメ、そして実際に泊まってよかった宿の選び方までまとめていきますね。
函館がひとり旅にぴったりな理由
函館は、北海道のなかでも「街を歩いて味わう」タイプの旅先です。大自然を求めて遠くまで運転する道央の旅とは違って、見どころが半径数キロにきゅっと集まっているんですよね。
わたしの感覚では、こんなところが函館ひとり旅のいいところです。
- 見どころがコンパクトにまとまっている:朝市、ベイエリア、元町、函館山が市電と徒歩でひとつながり。レンタカーがなくても困らない
- 市電が旅の足になる:函館駅前から湯の川温泉まで1本。1日乗車券もあって、ひとりでも移動に迷わない
- 海鮮をひとりで気軽に食べられる:朝市の海鮮丼も、街なかの塩ラーメンも、カウンターやおひとりさま客が当たり前
- 夜景という分かりやすいハイライトがある:函館山の夜景は、ひとりで眺めても胸にしっかり残る景色
- 道央とセットでも、単独でも組める:札幌からは特急北斗、新千歳空港からは南千歳駅で特急へ乗り換えてアクセスできる。北海道旅の一部にも、函館だけの週末旅にも組み込みやすい
「北海道に行ってみたいけれど、運転は不安」「がっつり自然より、街歩きとごはんを楽しみたい」という気分のときに、函館はちょうどいい温度感で迎えてくれます。
函館は本州よりひと足おそく季節が進みます。五稜郭の桜は例年4月下旬〜5月上旬が見ごろ。夏でも夜は冷えるので、6〜8月でも羽織るものを1枚持っておくと安心です。
おすすめモデルコース:1泊2日

函館は街がコンパクトなので、1泊2日でも夜景・坂の街・朝市と、見どころをひととおり回れます。初日に観光を詰めて、2日目の朝に朝市、というリズムが組みやすいんですよね。
ここでは、ひとり旅で組み立てやすいコースを紹介していきます。
1泊2日コース:夜景と坂の街と朝市を凝縮する
午前中に函館入りして、夕方の函館山にあわせて街を歩いていくコースです。午後に到着する場合は、五稜郭を2日目に回すと無理がありません。
- 1日目昼:函館着。ホテルか駅のコインロッカーに荷物を預ける
- 1日目午後前半:市電で五稜郭へ。五稜郭タワーから星型の城郭を見おろす
- 1日目午後後半:ベイエリアに移動して金森赤レンガ倉庫を散策。港を眺めながらひと休み
- 1日目夕方:元町の坂と教会群を歩く。八幡坂から港へ続く景色を楽しむ
- 1日目夜:日没にあわせて函館山ロープウェイへ。夜景を見たあと、街なかで塩ラーメンの夜ごはん
- 2日目朝:函館朝市で海鮮丼の朝ごはん。活イカや好みのネタを選べる丼を味わう
- 2日目午前:元町のカフェでのんびり、または谷地頭温泉で朝風呂
- 2日目昼:おみやげを買って、午後の便や列車で帰路
ポイントは、函館山の夜景を日没の時間にぶつけること。空がまだ薄明るい「マジックアワー」から、街に灯りがともっていく数十分が、いちばん美しい時間帯です。日が沈む時刻を調べ、混みやすい週末や連休は1時間ほど余裕をもって山麓駅へ向かいましょう。当日は公式サイトで待ち時間を確認しておくと安心です。
もう1泊できるなら:湯の川温泉と大沼で深呼吸する
時間に余裕があるなら、2泊3日にして湯の川温泉に1泊、足を伸ばして大沼国定公園まで行くのもおすすめです。
- 1日目:函館着 → 五稜郭 → ベイエリア → 元町 → 函館山夜景 → 函館駅・ベイエリア泊
- 2日目:函館朝市 → 函館本線で大沼公園へ。湖畔をサイクリングしてカフェでひと休み → 湯の川温泉泊
- 3日目:温泉で朝を過ごす → トラピスチヌ修道院 → おみやげを買って帰路
2日目を湯の川温泉泊にすると、大沼から戻ったあとに温泉でゆっくり身体をほぐせます。大沼は駒ヶ岳を映す湖が静かで、街の旅とはまた違う北海道らしい空気が味わえます。
函館山ロープウェイは、例年秋に法定整備による運休期間があります。日程は年ごとに変わるため、夜景目的で訪れるなら公式サイトの運行カレンダーを事前に確認しておきましょう。運休中に山頂へ向かう場合は、その時期に利用できるバスやタクシーなどの交通手段もあわせて確認してください。
エリア別おすすめスポット

函館の見どころは、駅・朝市、ベイエリア、元町、函館山、五稜郭の5つのエリアに分けて考えるとプランが立てやすいです。元町から函館山まではつながっているので、夕方からまとめて歩くのが効率的ですよ。
函館駅・朝市エリア
旅の起点になるのが、函館駅とそのとなりに広がる函館朝市。新幹線でアクセスする新函館北斗駅から「はこだてライナー」で約20分、その駅前がもう海鮮の街です。
- 函館朝市:駅のすぐ横。海鮮丼の食堂、活イカ釣り、海産物店がぎっしり並ぶ。朝5〜6時台から開く店も多い。活イカは漁や入荷の状況によって提供されない日もある
- どんぶり横丁市場:朝市のなかの食堂が集まる一角。ひとりでもカウンターで気軽に丼を食べられる
- 函館駅前の市電乗り場:ここから元町方面も湯の川温泉方面も1本。旅のハブとして覚えておきたい
ベイエリア(金森赤レンガ倉庫)
函館駅から市電で数分、海ぎわに並ぶ赤レンガの倉庫群がベイエリア。明治時代の倉庫をリノベーションした、港町らしいおしゃれな一帯です。
- 金森赤レンガ倉庫:雑貨やスイーツのショップ、カフェが入る複合施設。雨の日でも屋内でゆっくり過ごせる
- ベイエリアの運河沿い:夕方になるとライトアップされて、散歩するだけで絵になる
- スターバックス 函館ベイサイド店:海のすぐそばに立つ倉庫風の店舗。港を眺めながらひと息つけて、雰囲気のよさはベイエリアでも指折り。店員さんも気さくで、ひとりでもくつろげる
- ベイエリアの倉庫カフェ:港を眺めながらお茶を楽しめる店も点在。歩き疲れたときの休憩にちょうどいい
元町・西部地区:坂と教会の街
函館山のふもとに広がる元町は、函館らしさを色濃く感じられる場所。石畳の坂道に教会や洋館が並ぶ、異国情緒のあるエリアです。坂の上から港を見おろす景色は、何度でも振り返りたくなります。
- 八幡坂:港へまっすぐ下る坂。坂の上から海と船を望む構図は、函館を代表する風景
- 函館ハリストス正教会:白い壁と緑の屋根が美しいロシア風の教会。鐘の音が「ガンガン寺」の愛称で親しまれている
- カトリック元町教会・聖ヨハネ教会:ハリストス正教会のすぐ近く。3つの教会が徒歩圏に集まっている
- 旧函館区公会堂:青と黄色の洋館。バルコニーから港を見おろせる
- 基坂・大三坂:八幡坂以外にも趣のある坂が点在。気の向くままに歩くのが楽しい
函館山:夜景のハイライト
標高334mの函館山は、言わずと知れた夜景の名所。山頂の展望台からは、海が両側に迫る、くびれた市街地を見渡せます。そこに灯りがきらめく、ほかではなかなか見られない形の夜景です。
元町から函館山ロープウェイの山麓駅までは歩いてすぐ。ロープウェイなら約3分で山頂です。日没の前後は混みあうので、時間に余裕をもって向かうのがおすすめ。ひとりでも、展望台の手すりにもたれて街の灯りを眺める時間は、思いのほか静かで満ち足りた気持ちになりました。
五稜郭エリア
函館駅前から市電で「五稜郭公園前」まで約17分、電停からさらに15分ほど歩くと五稜郭に着きます。星型の城郭跡として知られ、隣接する五稜郭タワーの展望台からは、きれいな五角形の全体像を見おろせます。
- 五稜郭タワー:タワーの高さは避雷針を含めて107m。地上86m・90mの展望台から星型の堀を一望でき、歴史展示もじっくり楽しめる
- 五稜郭公園:堀の内側は散策路になっている。春は桜、初夏の新緑、秋の紅葉と季節ごとに表情が変わる
- 周辺のカフェ・スイーツ店:五稜郭エリアは地元の人気カフェが多い。観光の合間のひと休みに
ひとりでも入りやすいグルメ・カフェ

函館はカウンター文化と海鮮の街なので、ひとりごはんで困ることはほとんどありません。とくに女性ひとりでも気おくれせずに入れるジャンルを紹介していきますね。
函館朝市の海鮮丼
函館ひとり旅の朝といえば、やっぱり朝市の海鮮丼。どんぶり横丁市場の食堂はカウンターやテーブルが中心で、ひとりでふらっと入って、好きなネタの丼を頼めます。
イクラ、ウニ、ホタテ、カニ。店によっては、好きなネタを数種類選べる海鮮丼もあり、その日の気分で組み合わせを決める時間も楽しいんですよね。朝市のなかには活イカを釣り、その場で調理してもらえる店もあります。漁や入荷次第では提供されない日もありますが、透き通った身のコリコリした食感は、ここでしか味わえない朝のごちそうでした。
函館塩ラーメン
札幌の味噌、旭川の醤油とならんで、函館は塩ラーメン。澄んだスープにストレート麺の、やさしくて上品な一杯です。
ラーメン店はカウンター席が基本なので、ひとりでもまったく問題なし。夜景を見たあとの夜ごはんに、温かい塩ラーメンをすするのが、わたしの函館での定番になりました。シメに食べても重たくない軽やかさが、塩ラーメンのいいところです。
ご当地グルメ:ラッキーピエロとハセガワストア
函館に来たら一度は食べておきたいのが、地元で愛されるご当地グルメ。観光客だけでなく、地元の人の暮らしに根づいているのがおもしろいところです。
- ラッキーピエロ:函館を中心に展開するご当地バーガー店。チャイニーズチキンバーガーが看板メニュー。ボリュームたっぷりで、テイクアウトもできる
- ハセガワストア:通称「ハセスト」。焼きたての串をのせた「やきとり弁当」が名物(実は鶏ではなく豚肉なのが函館流)。テイクアウトして楽しみやすい
どちらもカウンターやテイクアウト中心なので、ひとりでもハードルはほぼゼロ。港のベンチでやきとり弁当を広げる、というのも函館らしい過ごし方です。
港町のスイーツとカフェ
函館は実はスイーツの街でもあります。歩き疲れたタイミングで甘いものとコーヒーを取れる場所を、いくつか知っておくと旅が楽になります。
ベイエリアや五稜郭周辺には、地元発の洋菓子店やカフェが点在しています。なかでもチーズスフレやチーズオムレットは函館みやげの定番。その場でいただけるカフェもあります。元町の坂をのぼって息が切れたら、洋館を改装した店でひと休みするのもおすすめ。窓の外に港を望みながらのコーヒーは、ちょっとしたご褒美の時間になりました。
ホテルの選び方:エリアで決まる動きやすさ

函館の宿は、選ぶエリアで翌日の動きやすさが変わります。エリアごとの特徴と、ひとり旅向けの宿のタイプを紹介していきますね。
函館駅・朝市周辺:移動の起点として便利
新幹線アクセスの「はこだてライナー」も、市電も、空港バスも函館駅が起点。とにかく移動の起点を優先するなら、駅と朝市の周辺がいちばん動きやすいです。
朝市まで徒歩数分なので、朝ごはんに海鮮丼を食べに行くのも楽。チェーンのビジネスホテルが多く、ひとり泊の料金を比較しやすいのもありがたいところです。
ベイエリア:港の景色を独り占めできる
港の景色を楽しみたいなら、赤レンガ倉庫が立ち並ぶベイエリアの宿。夜のライトアップや朝の港を、部屋や大浴場から眺められる宿があります。
このエリアでわたしが実際に泊まって、いちばん印象に残ったのがラビスタ函館ベイでした。最上階に港を見おろす展望大浴場があって、観光から戻って湯につかる時間がなんとも贅沢。そして朝食ビュッフェが本当にすごくて、新鮮なネタを自分でのせる海鮮丼を好きなだけ作れるんです。公式サイトで「口コミで7年連続北海道1位」と紹介されているのも納得で、これまで泊まった宿のなかでも、わたしの中の朝食No.1として記憶に残っています。朝市に行かなくても、ホテルの朝食だけで函館の海の幸を満喫できてしまうほどでした。
そもそも函館は、朝ごはんが評判の宿が多い街でもあります。ライブキッチンの朝食で知られるセンチュリーマリーナ函館や、海鮮も並ぶ朝食ビュッフェが人気の函館国際ホテルなど、朝食目当てで宿を選ぶ楽しみがあるのも、海の街ならでは。わたしが泊まったのはラビスタ函館ベイですが、ほかにも気になる宿がいくつもあって、次はどこの朝食を試そうか迷ってしまいます。
これまで実際に泊まったホテルは、別の記事で一覧にまとめています。
女ひとり旅で泊まった国内ホテルまとめ。宿泊記へリンクあり
旅ブログ InnocentTrip の涼羽がこれまでに女ひとり旅で宿泊した、国内ホテルを一覧にまとめています。
湯の川温泉:温泉宿でおこもりする
「街歩きより温泉でゆっくりしたい」という人には、函館駅前から市電で約30分の湯の川温泉。北海道三大温泉郷のひとつで、海に近い温泉街です。
温泉旅館やリゾートホテルが多く、ひとり利用に対応している宿も増えています。観光のあとに温泉宿でおこもり時間を過ごして、翌朝に市電で函館の街へ戻る、という組み立てもしやすいエリアです。
元町・坂エリア:朝の散歩を楽しむ
坂の街の雰囲気を朝から味わいたいなら、元町や西部地区の小さなホテル・ゲストハウス。教会群や八幡坂が徒歩圏なので、観光客が少ない朝の時間に、静かな坂道を独り占めできます。
宿の数は駅前より少なめですが、その分、街の空気にどっぷり浸れるのが魅力。女性ひとりなら、口コミやセキュリティ面を確認してから選ぶと落ち着いて過ごせます。
函館ひとり旅を計画するときのポイント
最後に、函館ひとり旅をこれから計画する人へ、おさえておきたいポイントをまとめておきますね。
- 市電の1日乗車券を活用する:函館駅前・朝市・元町・五稜郭・湯の川が市電1本。1日乗車券があると乗り降りが気楽
- 夜景は日没の時間にあわせる:空が暮れていくマジックアワーがいちばん美しい。日没30分前には函館山へ
- ロープウェイの運休期間に注意:法定整備のため例年秋に運休する。夜景目的なら、その年の運行カレンダーを事前確認
- 朝市は早起きして向かう:朝5〜6時台から開く店も多い。混む前の早い時間がねらい目
- 夏でも羽織るものを1枚:本州より季節がゆっくりで、夜は涼しい。6〜8月でも上着があると安心
- 道央とセットにするなら特急の時間を確認:札幌からは特急北斗で約4時間。乗り継ぎを早めに調べておく
函館は、北海道のなかでも「街そのものを歩いて味わう」旅ができる、ちょっと特別な港町でした。坂の上の教会、海ぎわの赤レンガ、朝市の海鮮、そして函館山から見た夜景。1泊2日でもこれだけの景色とごはんに出会えて、しかも宿の朝食まで忘れられない。札幌や道央の旅とはまた違う函館の顔を、次のひとり旅でぜひ確かめてみてくださいね。
函館をきっかけに北海道のほかの街も気になってきたら、こちらの記事も旅の計画に役立ててもらえたらうれしいです。
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